TSURUNOTE SEIKOTSUIN

 

TFCC損傷って何?

 

TFCC損傷の主要因は外傷です。手関節部の強い衝撃や手関節への過剰な負荷の繰り返しにより起きるので、野球やテニスなどのスポーツが原因となることが多いとされています。また、転倒や作業中の外傷による靱帯損傷や、手関節の酷使によっても同様なことが起こります。加齢による変性損傷によって発生することもあります。また、外傷を認めずに発症することがあり、この要因として尺骨が橈骨に対して長くなっていること(Ulnar plus variance) が挙げられます

 

 

TFCCはどんな役割があるのでしょうか?

 

橈骨と尺骨の遠位端同士そして、尺側手根靭帯とを結ぶ靭帯をしています。前腕の2本の骨の間には、ほかにも複数の靭帯がありますが、遠位であるこのTFCCが断裂すると手関節部分を含めた全体の機能障害が生じます。

 

 

症状を進めないためにはどうすればいいのでしょうか?

 

痛みは軟骨の変性が進んで行くことも示しています。橈骨尺骨の動きを正常に近くするために、装具をつけることなどが選択肢としてあげられます。

 

 

TFCC損傷ってどうやって診断するの?

 

レントゲン撮影により、尺骨突き上げ症候群(尺骨が橈骨よりも長いこと)の有無、尺骨茎状突起の剥離骨折などを確認します。また、類似した症状を示す遠位橈尺関節(DRUJ)の病変も鑑別します。熟練した手外科専門医であればFovea sign、手関節の尺側ストレステストなどでTFCCの損傷を疑いますが、手術適応の決定には、補助診断としてMRIや関節造影検査(X線透視検査)を行い、靱帯断裂を起こしているかどうかを判断する場合もあります。尺側手根伸筋腱(ECU)の腱鞘炎も同様の訴えで来院することが多く、ECUに沿った圧痛と腫脹、ECUへのステロイド注射の効果などで鑑別します。

 

 

TFCC損傷にリハビリテーションが効果的?

 

リハビリテーションでは、患部に対しての直接的な運動療法は行いませんが、手関節周囲の筋肉のストレッチや、血流を改善させるための物理療法を行うことがあります。しかし、最も大切なことは患部に繰り返しのストレスをかけて痛みを慢性化させないことですので、決して無理はしないようにリハビリテーションを進めていきます。基本的には保存療法で経過を観察することが多いですが、数カ月経過してもなかなか痛みが改善しなかったり、スポーツでの復帰を希望されたりする場合には、手術療法を選択することがあります。TFCC損傷の手術では、損傷部位の縫合や部分切除などを行うことで、痛みの軽減やパフォーマンスの改善を図っていきます。